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孤児院「ジャイラホーム」概要|海外ボランティアのNPO法人アクション(ACTION)

こども達が夢に向かってチャレンジ出来る社会を目指して

アクションは1994年よりフィリピンのこども達を支援しているNGOです

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孤児院ジャイラホーム概要

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現在アクションでは、活動の幅を広げ、さまざまな孤児院と連携してプロジェクトを実施しています。

そのなかで、アクションが活動当初から支援をしているのが孤児院ジャイラホームです。

ジャイラホームは1979年11月30日にフィリピン人牧師のジョエル氏によって設立されたキリスト教系孤児院(児童養護施設)です。当時、極東最大の米海軍基地であるスービック基地(現在はスービック経済特別区)があったオロンガポ市には約4千人ものストリートチルドレンがいました。彼らに対して食事の配給や保護を行っていたジョエル氏は、一時的な活動では根本的な解決にならないと考え、オロンガポ市から北へ車で30分ほど行ったところにあるサンバレス州カスティリヤホス行政地区にジャイラホームを設立しました。

現在、7歳から18歳までのこどもたち29人が生活をしています。こどもたちが施設に入っている主な理由は貧困、身体的虐待、精神的虐待、育児放棄、捨て子、親が犯罪加害者で服役中等があります。

当会では1994年より施設の改修や増築、こどもたちへの教育支援、職員に対する人件費支援などを実施してきました。海外ボランティアプログラムももこれまでに80回以上開催し、1500名以上のボランティアが活動を行ってきました。

フィリピンでは孤児院をはじめとした福祉施設に対する政府の補助はないため、運営費を寄付によってまかなっています。しかし、設立当時の支援者も現在は高齢化しており、年々施設への寄付が減少していることが課題です。

ジャイラホームにこどもたちが入ってくる経緯

・DSWD(社会福祉開発省)経由
フィリピンの福祉分野を管理しているのがDSWD(社会福祉開発省)です。ジャイラホームを初めとした孤児院や障害者施設はDSWDの認可を受けて事業を実施しています。DSWDは各町役場にソーシャルワーカー(社会福祉士)を置き、地域の福祉や家族計画、児童相談といった役割を担っています。各町や市を束ねる形でDSWDの州事務所(Provincial Office)があり、さらにそれを束ねる広域事務所(Regional Office)があります。
経済的な理由でこどもたちを一時的に育てられなくなった親は町のソーシャルワーカーに相談に行きます。そこでカウンセリングを受け、必要であればこどもを空きのある孤児院へと入所させます。フィリピンは家族や親戚のつながりが強いので、最初は代わりに預かってくれる親戚等を探しますが、親戚も余裕がない場合、最終的に施設へこどもが入所します。
また、親の虐待や育児放棄、捨て子のケースではまず警察に通報があり、警察がこどもを保護した上でソーシャルワーカーに引き継ぎます。その後、孤児院へ入所します。虐待のケースでは親は逮捕され裁判となり刑務所へ送られる事もありますし、性的虐待の場合には重い罰則があります。ジャイラホームが位置するリジョンⅢ(中部ルソン地方)という地域にはDSWDが運営する性的虐待を受けた女の子の施設「HEAVEN」と犯罪を犯して捕まった男の子の為の少年更生施設「RYRC」があります。
0歳~2歳の乳児に関しては特別な建物と多くの職員が必要となるため、ジャイラホームをはじめとした民間の施設では資金的に難しく、DSWDの運営する「RSCC」という乳児から小学校高学年までが入所している施設に入る事が多いです。ここでは乳児の養子縁組を推進しています。
 
・教会ネットワーク経由
教会が運営母体のジャイラホームは教会同士のネットワークに加盟しており、その教会のメンバーでこどもが育てられない場合等、教会の牧師さんを通じて施設に入所をします。その際にはジャイラホームのソーシャルワーカーがインタビューとカウンセリングを行い、様々な手続きをします。この場合、虐待のケースは少なく、経済的な理由が多くを占めています。
上記の2つのケースに共通している事ですが、一度こどもを預けると簡単につれもどす事が出来なくなります。親であればこどもと暮らしたいのは当然であり、理解できますがこどもを施設に入れた原因(経済的な理由や育児放棄等)が解決されていなければまたこどもが施設に戻ってくる事になります。その際に一番傷つくのはこどもたちです。ソーシャルワーカーが親の状況を見極め、きちんと育てられる状況が整ってからこどもは施設を出る事になります。ジャイラホームのこどもの場合、平均して5年程度施設で生活をしています。

ジャイラホームの施設

ジャイラホームの敷地は4、5ヘクタール(約400メートル×100メートルの長方形)です。こどもたちが生活するコテージはフィリピンの一般家庭よりも堅固に建ててあります。家が一番傷むのはこどもが小学生ぐらいの時。壁や網戸、柱とあらゆるものが傷つきます。ジャイラホームは常に元気いっぱいのこどもたちで溢れている為、一般家庭よりも家が傷むのが早い為、当会ではメンテナンス費や修繕費といった維持費の節約と耐震・耐火を考えて一般家庭よりも堅固な家を建設しています。

施設に併設されているバスケットコートや幼稚園、プレイグラウンド、教会はジャイラホームのためというよりも地域とジャイラホームをつなぐ為の施設として過去に設置しました。幼稚園の生徒の9割は地域のこどもたち。放課後のバスケットボールコートでは地域の高校生達がバスケの練習や試合を行っています。また、地域の為とこどもたちに規律を教える為に極真会館フィリピン支部マグサイサイ道場を敷地内に設置し、空手を通した精神修養を行っています。
ジャイラホームは周辺の家庭や他の孤児院と比べて設備面が充実してきています。しかし、施設の充実度とこどもの精神的満足度は比例していません。こどもたちがも元々住んでいた地域はスクウォッターのような貧困地域が多く、家族全員で一部屋という事も珍しくありません。しかしこどもたちは常にそこに戻って家族と暮らしたいと願っており、どんなに施設が綺麗でも家族で暮らす事の方が大切なのです。
もちろん衛生上、綺麗な施設に越した事はありませんが、これはこどものためというよりも長期間の施設運営において安定し安全なサービスをこどもたちに提供する為です。施設の充実度に目が行きがちですが、大切なのはいかに早くこどもたちがここを出て、本来いるべき場所に帰れるようにサポートをする事なのです。

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